大阪市がUSJから撤退

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大阪市がUSJの経営から撤退するらしい。第3セクターで経営されたテーマパークはことごとく失敗してきた。スペースワールド(北九州)、シーガイア(宮崎)、倉敷チボリ公園などなど。USJはそれとは違うとは思うものの、USJですら状況が厳しいことに改めておどろく。

アメリカの2パークを体験しているので、それと比べると、映画よりもキャラクターが優先され、シュレックも、スヌーピーも、キティもいるというのがちょっとびっくりだが、色々と日本向けの工夫が必要な状況なんだろうなぁと。

産経新聞より

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米金融大手のゴールドマン・サックス(GS)が19日、テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)を運営するユー・エス・ジェイの株式公開買い付け(TOB)に踏み切った。GSはユー・エス・ジェイの経営の支配権を握ることで収益改善を促し、不況で入場者数が伸び悩むユー・エス・ジェイとしても、安定資金を確保して積極的な設備投資に打って出たいところ。株主で財政難の大阪市にとっても、多額の収入を得る絶好のチャンスであり、TOBにはそれぞれの思惑が交錯する。

 「2年前に許された経営判断が今は許されない」。ユー・エス・ジェイのグレン・ガンペル社長は同日の会見で、東証マザーズ上場からわずか2年でTOBに至った事情をこう語った。

 USJは消費の冷え込みや円高による海外からの入場者減で、平成20年4~12月の入場者数は前年同期比5・1%減少。20年3月期に増収増益だった決算が一転、減収減益となった。

 ガンペル社長は「集客力を高めるためには、魅力的なアトラクションを継続して入れなくてはならない」と設備投資を重視するが、「今は投資に短期的なメリットを求められ、長い準備期間の必要なアトラクション導入は難しい」のが実情だ。その意味でTOBへの賛同は、「積極的な投資を続ける」というGSの約束と引き換えといえる。

 一方、GSはほかの投資ファンド2社からも出資を受けてTOBを実施し、ユー・エス・ジェイの全株を取得する。ゴールドマン・サックス証券マネージングディレクターのアンクル・サフ氏は会見で、「長期的な観点から(ユー・エス・ジェイの設備投資を)支援したい」と説明したが、経営への関与は否定した。

 三洋電機の社外取締役として同社の経営再建にも尽力したサフ氏だけに、ある金融関係者は「現在のユー・エス・ジェイの株主は海外の投資機関が複数あり、柔軟な経営がしにくい。GSはほかの株主を排除したい」と指摘。さらに「19年度に84億円の営業利益を上げたUSJを投資の成功例とみるGSは、早く業績を上げて売り抜け、利益を確保するのがねらいでは」とみている。

 業績向上後に、東証マザーズより投資を呼び込みやすい東証1部に上場すれば、GSは大きな利益を回収できる。会見で再上場の意思を問われたサフ氏は「いくつかの理由で良いと判断すれば、可能性としてある」と含みをもたせた。

 TOBの提案は、株主である大阪市にとっても渡りに船だ。同市は第三セクター「大阪ワールドトレードセンタービルディング」(WTC)の破綻(はたん)処理を迫られ、TOBに応じれば約100億円の現金を手にする。

 平松邦夫市長は「現在の株価から考えれば、(1株5万円のTOB価格は)プレミアム感がある」と前向きだ。同市がユー・エス・ジェイに貸し付けてきた約160億円も、GS側がTOBと同時に、肩代わりして返済する意向だ。

 TOBはユー・エス・ジェイの経営立て直しとともに、大阪市の財政再建の観点でも大きな鍵を握る