アメ横とプレゼンテーション

Category: プレゼンのコツ

皆さんは上野の「アメ横」に行ったことがありますか。年末になると一日約50万人が訪れて賑わう商店街で、マグロや海産物、正月向けの商品などが飛び交うように売れていきます。アメ横に行ったことがなければ、お近くの威勢がいい魚屋さんをちょっと想像してみてください。こんな声がかけられます。

「そこの奥さん、いらっしゃい、いらっしゃい。うちのは生きがいいよ、新鮮だよ。
しかも、安い!安い!今日届いたばかり、北海道直送だよ。
今ならおまけもつけちゃうよ。ちょっと味見してくかい?」

 短時間で通り過ぎていってしまう買い物客。それを呼び止めるために、これほど端的なプレゼンテーションをしているのはないでしょう。

ここで行われているのは「他社商品との位置」を表現していること。まさにこれがプレゼンテーションの基本なんです。品質の良さ、安さ、お得感などが他社アイデアとの位置関係(=差別化ポイント)を複合的が話されています。
 色々と売り込んでいる要素であるものの、一方でお客様が実際に欲しいと思う「比較単語」がラインナップされていることも分かるでしょう。

 改めてまとめてみると、「そこの奥さん」という対象に対して、次のように説明しています。
「生きがいい=他より製品そのものが良い(Product)」
「安いよ=他より価格が良い(Money)」
「今日届いた北海道直送=他より流通・販路が良い(Route)」
「おまけをつけちゃう、味見できる=他より販促が良い(something Extra)」
そして、店員さんの対応の気持ちよさ(Identity)
つまり、自分のお店と他のお店をゲストに比較していただくポイントとして5つを挙げました。

Product・・・品質の優位性
Route・・・購入ルートの良さ
Identity・・・担当者の自分らしさ(接客)
Money・・・・金額の優位性
something Extra・・・付加価値の優位性

 これらの頭文字「PRIME」がいかに他の商品やサービスとは抜きん出た位置関係にあるのかが明快になることで、ゲストに他商品と違いを認識していただきやすくなるのです。