企画をするときに「お客様のことを考えて企画をしろ」「顧客価値が高まるか」や「お客様第一だ」など、という言葉が聞かれます。ただ残念ながらそのような場合、本当にゲスト視点の企画はなく、たいてい企業視点で物事を考えているものです。
例えば、【ある製品があり、操作方法が分かりにくいので、誰でも分かる説明書を用意する】
これは一見すると「ゲスト視点で考えいている」ように聞こえます。しかし、そもそも企画や設計の時点でゲスト視点を持って入れば、操作自体が簡単にできたはずなので、説明書そのものがいらなかったわけです。
企業視点でゲストのことを考えているため、ゲストに負担いただくことで配慮不足分をカバーしていただいているということなのです。
本当にお客様のことを考えるのであれば、こう思うようにしましょう。
「会社代表ではなく、ゲスト代表になりなさい。」
企画者とは、ある意味会社代表です。
あなたが会社を代表して企画担当をした製品やサービスがゲストに提供しされているのですから。
しかし、社員として企画を考えれば、社内組織の壁や、少ない経費、変更できないシステムといったことに右往左往して、うまくいかない部分をお客様にご負担いただく必要性のある完成品として出されるのが実情でしょう。
しかし、ゲストが考えたら最も使いたい商品、最も受けたいサービスを考えるでしょうし、自分が面倒なこと、不愉快なことは徹底的になくすはずです。
ゲスト代表として商品やサービスを考えて、会社のお金を使ってそれを実現する、というぐらいの考え方を持っていなければ、本当に良い企画など作れません。
逆にいえば、そういうものを作れれば、その対価としてお客様から多大な支持をいただけるはずなのです。
そうは言っても、直接提案するのは上司であったりクライアント様だったりするわけですよね。このため、企画の良さと収益とのバランスをとる必要があるわけですが、その話はまた別のときに。