ループ

Category: 【●ディズニー企画チーム時代の雑記】
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夏といえばホラ~。

『リング』、『らせん』。
言わずとしれた人気ホラー小説。
いまさらながら、その完結編『ループ』を読んだ。
そうか98年発表の作品でしたか…。

うむ~、正直なところ、読まなきゃよかった。
賛否両論あるだろう。単一の作品としてはいいんだろうけど、
ホラーを期待しているときには、理論は期待していないんだよなぁ。

例えば、ストーリーの中で何かの心霊現象の怨念やら怨恨の原因は知りたいと思うけど、火の玉で有名な大槻教授みたいな人がストーリーに出てきて心霊現象の科学的解明を解説したらしらけるだろう。
この『ループ』は虚構のストーリーとしては確かに完結している。
ただこれはホラー小説ではなくて、『リング』のホラー展開を科学的根拠をもちいて説明する「科学SF小説」だと思う。

だから『ループ』を読むことで、かえって『リング』の時に感じた、えも言えぬ恐怖感が消え失せてしまった。
なんだ「貞子」ってそういう科学的メカニズムで発生した現象なのか、なんて知ったら、作者自身で書いた前作を否定するみたいでしょ。
視点を変えてSF科学小説と割り切れば、まぁ遺伝子の勉強にはなるけど。

しかも、筆者の後書きには、もともと『リング』から先の構想をしていなかったのに、その先の話『らせん』を書き、さらに予定してなかった続編『ループ』を書き上げたという。
そりゃつじつまを合わせる説明作品を作るしかないよなぁ。
そして鈴木光司氏は後日談としてリングシリーズはホラーではなく、家族愛の作品であると説明しているらしい。その一方でリングシリーズ終了後に『仄暗い水の底から』というホラーを書いている。それだと売れる作品を出版社から要望されて信念を曲げてしてしまったような感じも…。

成功した映画で急遽2作目以降を作ったり、またはネタがなくてかつての栄光で2匹目のドジョウを狙ってしまい、失敗するのと同じような気がする。

…でも脚本家しだいか。
『パイレーツ・オブ・カリビアン』も2を創って大成功しているし。
全米で4億ドル突破も夢じゃないらしい。
その収入が社員にもループされることをいのりつつ…。