引退会見で号泣 古田監督悔しさにじむ
(スポーツニッポン)
涙が止まらない。18年の現役への思いか、それとも監督辞任の悔しさなのか。中日戦の試合前に東京・元赤坂の明治記念館で行われた引退&退任会見。ユニホーム姿で臨んだ古田監督は、あふれ出る涙をぬぐった。
「すみません」「あかんなあ」。さまざまな思いが胸に去来する。「ファンには感謝の気持ちでいっぱいです」。そう言うとまた涙があふれた。
球団からは再三、専任監督として来季の続投要請を受けた。だが、それを固辞。チームの低迷の責任を一身に背負って決断した。「プロの監督には大きな責任がある。監督が結果を問われるのは当たり前のこと」。兼任監督就任の時、3年契約の球団提示を断って2年契約。その2年で結果を出すつもりだったが、昨年は借金3の3位で、今季は23年ぶりの最下位の危機にひんしている。決意は揺るがなかった。
しかし、口には出さなくても無念の思いが募るのは確かだ。就任時に全面バックアップを約束されながら、補強面でも自ら中心となったファン獲得のための「Fプロジェクト」でも大きな協力は得られなかった。そんな中で、兼任監督の葛藤が不世出の名捕手の選手生命も縮めた。後継者の育成と自身の出場。「後継者づくりも役目で“自分が”という気持ちがそがれた」と話し、兼任監督について「僕は40歳代でなったが、できるなら30歳代でバリバリの人の方がいい」と続けた。
涙の理由を問われた古田監督は言った。「寂しさというよりも悔しさの方かな」。選手18年、監督2年の思いがその言葉に凝縮されていた。