カレーの作り方とチームの作り方

Category: 働き方改革

ちょっと聞いた話を一つ書いてみる。

レトルトカレー業界では1つの商品につき「企画部Aチーム」「研究部Aチーム」「営業部Aチーム」「広報部」がひとつのグループとなって行動するそうだ。
つまり、部署の一部分同士が合同組織となるのだ。

次期のトレンド傾向を予測(または創造)して味を決定した企画部が、研究部にその味を表現するように試作を依頼し、営業部は企画部からコンセプト等の売り込みの指針を受け、逆に顧客動向をフィードバックしてもらい、これらの状況を考えつつ広報計画を練る。この合同組織はある意味斬新なことだが、よく考えれば当然のことなのかもしれない。

各担当者間の得意分野の情報がすばやく交換でき、会議が容易になり、決断も数段早く進められれるからというのだ。
少なくとも、全員が顔を合わせていることで部署間を超えた交流はしやすくなることだろう。
これというのも、「レトルトカレー」というほぼ企画範囲の狭い中で、アイデア競争が激しく、企画部で案が固まってから研究部に依頼したころには、他社が同じような製品を発売してしまうという状況によるものだ。

短時間にワンパックで作るレトルトカレーは、企画から販売までもが短時間でワンパックで作られているのだ。

この話はディズニー7つの法則の中にでてきた、エプコットセンターのランド館の話にもつながる。

「大きなモビールをつるすが、ケーブルがよじれて、設計者の思うように彫刻の位置が決まらなかったが、その解決策を教えてくれたのは近くを通りかかった清掃員だった」。

レトルトカレーにしても、エプコットセンターの話にしても、どちらも部署間を超えて話せる状況が作られており、それが成功への近道を導いている。

つまり、私が言いたいことはこういうことだ。
「いくら顧客満足を考えていても、その認識が全担当者の共通認識となっていなければ、非効率的作業に終わる」