ところで、企画者、プロデューサーというと、ちょっとぶっ飛んでいる人なイメージがあるかもしれません。
テレビ局で肩からセーターを垂らして着て、逆さ言葉や業界用語を使っているような人を想像しますか。私もテレビ局でちょっとだけクイズ作家としてお手伝いをした経験がありますがが、そんな人はいませんでしたよ、数名しか。
さて、どんなに企画がぶっ飛んでいたとしても、その企画の最初にしているのは「問診」なのです。
「企画」という漢字の成り立ちを思い出してください。人が困っていることを解決することだと書きました。困っている人を解決する職業の一つとして、ドクターを想像してみましょう。
もしあなたがドクターだったとして、お腹が痛いと言っている患者さんが来院したとします。まず何をするでしょうか。いきなり手術をする人、いきなり薬の処方箋を出す人はいないですよね。まず患者さんと問診をして過去の病状や現状を聞いたり、プロ視点で様態を患者さんの現状確認をしますね。この問診の過程を経て2つのことをしているでしょう。
・患者さんの緊急度の確認(できることと今やるべきことの違いを認識し、場合によっては他の患者さんを優先させたり、他の病院に移送する決断をする)
・患者さんの対処の選択肢の確認(過去や現状の話から原因候補を絞り込み、次の対処方法を判断する)
企画者もドクターと同じです。
商品でもイベントでも何かの企画をして欲しいと言われて、普通はいきなり回答を出すことはできません。まず問診をすること、すなわち、マーケットリサーチなどの現状分析をすることが必要となるのです。この過程を経てまず2つのことをすることになります。
・企画に対する優先度の確認(私たちが企画をすべきものかどうか、まず判断する)
・企画のネタの選択肢の確認(実際に何をするのがよいかネタ候補を絞り込み、どう詰めていくか判断する)
ドクターも企画者も、いきなり診ようと思っても無理なことです。きちんと判断するためにも知識や対処法をストックしておかなければなりません。問診では話をしっかり聞くこと、そしてデータをよく見ることが必要なのです。