喫茶店の話。感動を生むためには

Category: 企画の仕事とは

企画をした後も、なぜこれほどチェックし続けなければならないのでしょうか。
その答えはウォルトの言葉にあります。

“Times and conditions change so rapidly that we must keep our aim constantly focused on the future.”
(時や状況はうつろいやすい。 だから、常に未来に狙いを定めておかなければならないんだ)

意訳で「現状維持とは後退することである」とも言われますが、これが原点。

世の中は常は変動しているので、自分の視点で「現状維持している」と思う状態は、ゲストの視点からは後退しているのと同じことなのです。

ゲストが一度体験すると、同じ体験をしても感動が薄れてしまうのは、「期待」が「基準」になってしまったからです。

ゲストの中には「基準値」と「期待値」があります。
「基準値」はどうとも思わない普通の状態。「期待値」はこれぐらいだとうれしいなという数値です。

例えば喫茶店に行った時に、
「コーヒーをください」と頼んで、コーヒーが出てくるのは「基準値」(オーダーしたことを、そのまま満たしている状態)
「コーヒーをください」と頼んで、砂糖とミルクがついてくるのは「期待値」(これぐらいはしてくれるだろう)
「コーヒーをください」と頼んで、砂糖とミルクと、ちょっとしたお菓子がついてくるのは「期待値越え」

しかし、同じ喫茶店で次回コーヒーを頼んだときに、お菓子がついてくるのは「期待値」や「基準値」になっているのです。
お店からすると同じサービスを続けている(=現状維持している)としても、お客様の意識が変わったことにより、後退していると見なされることもあるのです。
ですから、ディズニーのテーマパークでは少しずつ改良やサプライズを加えたり、常に新しい発見があるようにして常に期待を超えるに考えているのです。

商品やサービスの企画だって同じです。どんなに素晴らしい物を作ったとしても、一度利用いただいたらそれは「期待値」や「基準値」へと変化していくのです。末永く使っていただき、リピーターとなっていただくたのためにも「VIP」や「PRIME」などの要素をSTITCHで確認しながら、期待を超えるものを提供しくという意気込みを持っている必要があるのです。

期待に応えると生まれるのは感謝。
期待を超えると生まれるのは感動。